2013年7月22日月曜日

『 Koubun 』Calf Leather

5月の展示会で発表した

『 face・Koubun Calf Leather 』(フェイス・こうぶんカーフレザー)

生産用の皮革が「上がってきました。」と電話が入ったので

早速、浅草へ!

検品って期待と不安で、行くまでに半分ぐらい

エネルギーを使ってしまうくらいの気力で

背中を押さないと、足が違う方向に向かってしまう。

儀式の様に、いつものトイレに寄ったり、数駅分歩いてみたり

ここ数年は建設途中のスカイツリーを見上げながら

缶コーヒーを飲んだり・・。

ドキドキワクワクハラハラソワソワ・・を胸の奥に押し込んで

「毎度っ!!」とスイッチを入れるワケです。

今回の皮革も気合いが入ってる分ドキドキが大きい。

〜*〜*〜*〜*

台に広げられた皮革は あぁ、良い出来です・・。



凄く良い出来です・・ありがとうございます。




もっと良くなるように次はこうしよう。

納品の前に全部乾拭きしてからもっていきますよ。








「文句ありません ありがとうございます!」

凄いなぁ。


つぎは『造り』の凄い人たちへバトンが渡ります。




2013年7月19日金曜日

Coffee beans

夏らしくなって来ました。『青空ビール』の季節ですねぇ〜。

あちらこちらで夏祭りもはじまります。

今年も浅草寺の四万六千日(しまんろくせんにち)に行きそびれてしまった。

この日にお参りすると、四万六千日分お参りしたのと同じ功徳がえられるのだそうです。

126年分のご利益をあげちゃうってんだから、江戸っ子らしくて気前がいいねぇ!

300年近くつづくこの縁日も、戦争で消えかかったそうですが

終戦後の焼け野原でも四万六千日の縁日をひらいて、たくさんの人を勇気づけたと

池波正太郎先生のエッセイで読んだ記憶があります。

来年は絶対お参りするぞ!ほおずきも買おう。

〜*〜*〜*〜*

今週もいろいろ良いコトがあったなぁ。

数日前、事務所に荷物が届きました。

差出人は『ねじまき雲』さん

修理品とまちがえて既に封は開けられていました・・。

袋の中身を見ると・・・珈琲豆!!!

じぇじぇじぇっ!!!ラベルもCORBO. COFFEE になってる!!

丁寧な手紙が添えられていました。





『 Roll of notes 2013 』の写真がCORBO.Online-Shop のTOP ページ や

HPの New release のページ にUPされています。

その写真の撮影場所としてカメラマンの河野氏イチオシだったのが

国分寺の『ねじまき雲 (陽)』さんでした。


『 Roll of notes 2013 』の金具のイメージは

『 使い込まれた真鍮のドアノブ 』

何度もペンキを塗られて、毎日人が扉を開けたり閉めたり、出掛けたり帰って来たり

人の手に触れて、時間をかけて、ゆっくりゆっくり。

こんなイメージで金具屋の UさんとGさんと何度も試作をくりかえして

やっと出来た自信作! 良いでしょ〜?


このイメージを河野氏に伝えると

ん〜「 ねじまき雲だな 」とほぼ即決でした。

ぼくも6年ほど前、CORBO.works&shopの什器を作るのに、あちこち動き回っていた頃に

青梅の『ねじまき雲 (陰)』に行ったコトがあったので、すぐイメージできました。

〜*〜*

ねじまき君は今でもゆっくりと丁寧に珈琲を淹れていました。

時間もゆっくり流れていました。

パプアニューギニアのアルコール度数50度もあるラムをチビリとなめながら

こちらも、チビリとなめる様に飲んだ「水出し珈琲」は驚きの美味でした。

撮影前にいい気持ちになってしまって、昼寝でもしたくなりました。

〜*〜*

そこに、ダンディーな紳士が現れて、慣れた感じで珈琲を注文すると

注文を取っていたねじまき君が「父です」と紹介してくれました。

赤い顔でご挨拶・・。

お話するうちに鞄の話になり、お父様がお若い頃に使っていた鞄を

ねじまき君が直しながら今も使っていると聞いて

撮影でお邪魔したお礼に、メンテナンスさせていただくコトにしました。

こういう鞄をみると、やっぱり皮革ってすごいなぁと思います。

鞄の写真を撮るのを忘れてました。

こんど伺った時に撮らせてもらってきますスミマセン。

〜*〜*〜*

というわけで、お礼にメンテナンスさせていただいたお礼に

珈琲豆が届いてしまったというワケです。 嬉しいことです。

休みの日にゆっくり飲もっと。

ねじまき君また行きます。

〜*〜*

ほかにも良い事あったけど、また後日。

2013年7月8日月曜日

新潟っていいとこだ。4

翌日の燕三条は薄曇りながら、風が通りぬける清々しい朝でした。

ホテルをチェックアウトして外に出ると、小日向さんご夫婦が

「美味しいので食べて下さい」

と地元の笹団子をわざわざ届けに来て下さって

朝からなんだか優しい気持ちになるのでした。



帰ってから大切にいただきました。美味しかったぁ。

笹の香りが濃くてしっかり甘くて懐かしい味です。

〜*〜*〜*

さて、この日は久しぶりの新潟市内。

CORBO.の新潟拠点!『DoRA・ドーラ』さんへ伺います。

『DoRA・ドーラ』のボス寺尾さんには20年近くお世話になっています。

そして、寺尾さんの右腕、マネージャーの佐藤拓生くんと

新潟でお会いできるのをとても楽しみにしていました。




少し早めに着いてしまったので、ビルボードプレイスの開店まで待つ事に。

清々しい風が梅雨の雲を吹き飛ばし、少しずつ晴れて来た街を眺めながら

こんな ↑ 塔が見えるところで、のんびりとコーヒーとサンドイッチの遅い朝食をとりました。

街行く人たちもどこか穏やかです。

信濃川も悠々と流れます。



浅草土産の芋ようかんを持って、『DoRA・ドーラ』さんへ



外から写真を撮ろうとすると、拓生くん登場。↑↑↑↑

東京ではいろいろな展示会があるたびに会いに来てくれるので感動の再会とはいきませんが、ホームの姿はいつもに増してキリリと引き締まって見えました。

ご来店された何組かのお客様の中で、彼氏へのプレゼントを探しているというお若いカップルのお客様を寺尾さんが流石の接客で対応して下さって、CORBO.のお財布の前で盛り上がっていましたが、お買い上げならずでした。

「ゴメンね」と寺尾さんに言われて「いえいえいえ」と恐縮してしまいます。

ところが、販促などの話をしているところに、先程のカップルが戻って来られて、

「やっぱりこれにします!」とスレートのラウンドF長財布をお買い上げくださいました。

一番嬉しい売れ方です!


もっとゆっくりしたかったのですが、今回は車で来ているので帰りに5時間はかかります。一瞬もう一泊と思いましたが、バーゲンで忙しいところをお邪魔してしまったので、挨拶をして大人しく帰ることにしました。

新潟の皆さんありがとうございました!

〜*〜*〜*

「出張先では可能なら最後にそこの海を見て帰ることにしてるんだ」と小柳に言うと

「いいね、行こうよ。今回美味い魚を食いそびれたから、お土産に干物とかあるかもな」

となって、信濃川沿いに海廻りで帰るコトにしました。


残念ながら干物屋はありませんでした。が



そこには、ゆっくりと休日を過ごす地元の人たちと、日本海が広がっていました。

水平線の向こうには佐渡島が望めました。

短かったけど、良い旅でした。また良いモノが産まれる様にがんばります!

〜*〜*〜*

新潟の海を見て思いました。

海は他の国と繋がっています。この海を日本海と名乗るのなら

原発は最稼働させてはいけませんよね。

新潟県も柏崎市もがんばってます。


柏崎の震災の後、東日本大震災の数年前の夏。

僕は柏崎の海で泳ぎました。

太鼓と生歌で踊る盆踊りは賑やかでどこか神聖でした。

気さくな地元の人にビールを振舞われました。

港から遠くに見えた、長岡の花火も幻想的でした。

柏崎の海はきれいです。

〜*〜*〜*

このブログを書いていたら

今日、拓生くんからトウモロコシが届きました。



新潟ってホントにいいとこだ。

もうすぐ夏だ。

2013年7月5日金曜日

新潟っていいとこだ。3

次に伺ったのは『へら絞り』の工場。

新幹線の鼻の部分やロケットの部品などを「へら絞り」という技術で手作りしている

というのはテレビや雑誌で見て知ってはいたけれど・・・、

目の前で金属の板がロクロの上で回る粘土の様ににゅぅ〜っと形を変えるのを目の当たりにすると感動的で

3人共「おぉ〜っ」と思わず唸っていました。


「力ではないんですよ」と小椋さんは教えて下さいました。

小椋さんの背筋はスキッと伸びて姿勢が良く、話す言葉は簡潔です。

へら絞りの一連の動作は流れるようで、まるで武道を見ているようでした。

小椋さんは「へら絞り」の技術一本で会社を建ち上げ、社長として会社を経営されています。

レバーを微妙に操作して、機械に「へら絞り」の動きを憶えさせて量産を可能にする「スピニング」という機械を操っていたのは、小椋さんの右腕の戸田さんです。

こちらも機械とは思えないような、とても人間くさい動きで興味深かった。

〜*〜*〜*

この機械と人間が絡み合う様な工場の風景や機械油のにおい、明暗、音の響き方。

僕の父が営んでいた、ガソリンスタンドと自動車整備工場の記憶と重なります。

あのままつづいていれば、僕は自動車整備工になって今頃オイルまみれで働いていたのかもしれません。

〜*〜*〜*

お昼ごはんと夜の席までご一緒させていただいて、初対面ですが濃い一日を過ごさせていただきました。

お酒の席でもものづくり談議が中心で、しかも他業種の技術のお話は本当におもしろい!

知らない事だらけで、アイディアの種だらけ。

熱い男同志の話はつきず、燕三条の夜はふけてゆきました。

お忙しい中、本当にありがとうございました。

只今、構想を練っていますので、またお会いしましょう!

〜*〜*〜*

この途中でカメラマンの河野氏は翌日の仕事の都合で、東京へ帰ることになっていたのですが

テーブルの上にPCを広げて、今日撮影した写真をみんなに見せてくれました。

小椋さんたちはご自分の仕事姿をご覧になって、照れるような嬉しいような笑顔をされていたのがとても印象的でした。

職人さんが働いている姿はいつ見てもかっこいいです。

「相変わらずやるな河野キャプテン!」と心の中で敬礼して

東京に帰る背中を見送ったのでした。

〜*〜*〜*

翌日は新潟市へ

つづく


2013年7月3日水曜日

新潟っていいとこだ。2

三条 燕 IC を降りて、小日向さんの工場へ向かいます。

小日向さんは小柳の従兄弟にあたる方です。

今回、小日向さんにはご招待いただいたうえに、いろいろな工場の方々をご紹介いただきました。

職人さんに会いにいくのは慣れているのですが、燕三条の職人さんと聞いて

やはり少し緊張していたようです。小日向さんの気さくな人柄のおかげで

無駄な肩の力が抜けて、いくつもの良い出逢いができました。

本当にありがとうございました。

〜*〜*〜*

数年前の小柳の結婚式の準備の際、「引き出物をCORBO.でお願いできないかな?」

と小柳と奥さんに相談されて、そんなの光栄すぎるよ!と二つ返事で引き受けました。

小柳は CORBO. のロゴをデザインしてくれた男です。

当時の小柳の代々木上原のアパートで、深夜に i-Macを睨みつけながら

あーでもない、こうでもないと何日も通いつづけて・・・、

まだ誰にも何処にも発表していない CORBO. の産声を一緒に聞いた親友ですから。

「せっかくだから、全部同じ物をそろえるんじゃ無くて、参列者一人一人の顔を思い浮かべながら、選んだらどうかな?」と提案すると二人ともとても喜んでくれて

お世話になった方々一人一人に合わせて革小物を二人で選んでくれました。

箱もオリジナルで作り、小柳デザインの金の箔押しを施しました。




その結婚式に参列された小日向さんは、引き出物をとても気に入ってくださって

それ以来、他にもいくつかCORBO.の製品をご愛用いただいているそうです。

〜*〜*〜*

このご縁がきっかけで、以前から探していた鞄の金具を作ることが可能なのか?

技術を見せていただいて、何か一緒に新しいコトが出来ないか?などなど

ほとんど好奇心の塊となって、小日向さんにすっかりお世話になってしまったというワケなのです。

小日向さんは溶接の名人。「いろいろ遊んでみました」と

実験的に試した物がすでにいくつかテーブルの上に並んでいました。


例えばこんな感じ。CORBOのロゴがみえますか?

到着して早々に薄い2枚のステンレスの細い縁を溶接するところを見せて下さいました。


僕が最初に就職した会社は自動車会社数社の純正スキーキャリアを作る会社で

サンプル製作に、毎日のように江戸川区の町工場をまわって、シャーリングで裁断したり、ベンダーで曲げたり、スポット溶接をしたり、メッキに出したりしていました。

ですから多少は理解しているつもりでしたが・・、小日向さんの溶接は僕のイメージしていた溶接とは違いとても繊細なものでした。

調子に乗って、あんなコトやこんなコトはできますか?と質問すると

小日向さんは「やってみよう!」と言って

ガスを代えたり、パルスを調整したり、電圧を調整して、次から次へと試して下さいました。

頭の中でイメージがぐるぐると回転する音が聴こえてくるようです。


つづく












2013年7月1日月曜日

新潟っていいとこだ。1


どうしてもリアルタイムで Blog が書けない・・・。

新潟に行って来ました。

久しぶりにCORBO.のビジュアル担当

カメラマンの河野氏とグラフィックの小柳氏と仕事終りに待ち合わせ

愛車に乗り込み、夜の関越道を新潟へ!

〜*〜*〜*

彼らとは学生時代からの古い友達です。

学生〜独身時代の冬といえば、仲間達と毎週のようにあちこちへスキーに行っていました。

1台の車にギュウギュウに乗り込んで交通費を浮かせ、おにぎりを両側のポケットに詰め込んでリフトの上で頬張り食費を浮かせ。夕方までノンストップで滑り続けて、またギュウギュウで日帰りするという・・、今やったら1週間は復活できないくらいハードな事をよくやっていました。

このメンバーで夜の関越道を走っていると、懐かしく思い出すコトがたくさんあります。

あの頃は毎日のようにみんなで集まっては、明け方まで一体何を話していたんだろう?

今回の旅でも車中では仕事の話はほとんどしなかったな・・。

〜*〜*〜*

そういえば、関越道沿いにあった「Dr.モリ」の大きな看板がなくなっていて寂しいかぎりです。小柳は自宅で「Dr.モリ」のいろいろなキノコを栽培したことがあるそうで「Dr.モリのキノコはめちゃくちゃ美味いんだよ!」とかなり興奮気味に力説してくれました。

俺も栽培に挑戦して、秋にはあこがれの「キノコだけ鍋」と秋刀魚とビールで収穫祭といくかな。

〜*〜*〜*

深夜に着いた湯沢で寝袋泊して翌朝、燕三条へ向かいます。

昔の様に酒を飲みつつとめどなく語り合い、空が白む頃、眠りの淵に落ちました。

やっぱり寝袋は最高だ。

朝は湯沢ICから出発。どこまでもつづく田園風景が車窓を流れていきます。

田植えの済んだ本場コシヒカリの水田は、曇り空の下でも光輝く様でした。

日本人は米だねぇ〜。原発止めてくれ〜!

原発を止める呪文

 純米大吟醸無濾過生原酒呑 純米大吟醸無濾過生原酒呑 純米大吟醸無濾過生原酒呑。

そういえば!越後湯沢駅前の『越後のお宿・いなもと』

森沢明夫 著『海を抱いたビー玉』にでてくるボンネットバスがのんびり停車していました。車内を自由に解放しているので、湯沢にご旅行の際は足を運んでみて下さい。
タイムスリップできますよ。


〜*〜*〜*

なかなか本題に入っていかないな・・。

今回の旅の1日目の目的地は洋食器の製造や磨き加工・金属加工技術では世界的に有名な

『 燕三条 』燕市と三条市をくっつけて呼んでいるんですね。

ICは『 三条 燕 IC 』となってました。

そして2日目はCORBO.の新潟拠点 『 DoRA・ドーラ 』さんがある『新潟市』です。

ずっと行きたかった『 燕三条 』と、かなり久しぶりな『新潟市』

念願かなった旅となりました。

つづく