これだというこの短い文ができた日
「頑張って!絶対いつか二人に俺の鞄をプレゼントしに行くからな」と
電話口で約束し深夜に一人胸に誓ったのをおぼえています。
・・・数年後俺たちは独立し、もう少しで2人との約束が叶いそうだった矢先、
彼は若くしてこの世を去り、友人はパートナーを失いました。
俺は約束を果たす事が出来ないままです。
一度も会うことのなかった友人。 訃報の後たった一度、夢の中で彼の姿を見た気がします。
オリーブの丘にたちこめる霧の中へ彼はこちらに背を向けたまま歩いて行き、
やがて鉛筆画の様になって霧の中に消えて行きました。
何かしなくてはと気持ちだけが焦り、力は全然足りませんでした。
その時出来たのは鞄を造る事だけで。
nebbia(霧)と言う革に出合いnebbia(霧)という鞄を作った。
ただそれだけだったのです。
* * * * * 明日につづく
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