2007年5月9日水曜日

指輪の憂鬱


仕事を終えて駅に向かう薄暗い歩道を終電を気にしながらテクテク歩いていると、道の真ん中にキラリッと光る物が、何だろうと思わず拾ってしまい明るい所でよく見るとなんと高級ブランドの指輪!だった。周りを見回しても誰もいないし近くに交番もなく終電も心配なので鞄にしまって電車に乗ってしまった。座席に落ち着くと、この小さな指輪一つでこんなにも目眩がするほどの妄想が巻き起こるとは・・・例えばこんな感じ・

・・・歩道のど真ん中に指輪が落ちているという状況はかなり不自然だよな・・そもそも指輪は落ちるものだろうか?あっ!ドッキリカメラ風のイタズラか?偽物という事もあるな・・本物だとしたら困ってるだろうな・・プレゼントされた物かな?ケンカして感情的になって投げ捨てるドラマみたいな状況か?まさか事件に巻き込まれたとか!じゃぁこれを交番に届けたら疑われるな・・良い事して疑われるのはやる瀬ないぁ・・・明日落ちてた所に置いてきてしまおう・・でも結構人通りあるんだよなぁ・・・・。

そのうち仕事疲れと妄想疲れで段々イライラしてきた。少し電車に揺られながら眠ってしまいたかったが・・・しかしこの大都会東京でこんな小さな物に出会ってしまう俺はツイているのか・いないのか?なんて思考はつづいて疲労困憊。
結局翌々日交番に届けて、こんなのが返って来たら困るので「全ての権利を放棄します」という書類にサインをしたらスーッと気持ちが軽くなってしまた。交番を出て目の前の東京体育館上空の飛行機雲を眺めつつ俺もまだまだでございます、はいはい。とタメ息などついているのでした。


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