2009年10月27日火曜日

サイフのひなたぼっこ


台風20号が来る前の10日間ほどCORBO.オフィスのベランダでは
SLATE 』のベージュ(ヌメ色)が並んで日光浴をしていました。

CORBO.直営店では新品の隣に、使用サンプルを展示しています。
「この皮革はこんな感じになりますよ。」とお見せすると
言葉では伝えきれない『味』を一目で分かってもらえるのが嬉しいんです。
みなさんにもとても説得力がある様で、大活躍してくれています。

さて、『ベランダひなたぼっこサイフ』のお話
CORBO.をお取り扱いいただいているお店の方々にも良く言われていた事なんですが

店頭品で『味』がでてしまったお財布の方を「売って欲しい」というお客様がよくいらっしゃいます。

以前は外国人のお客様に多かったのですが、最近は日本のお客様にもよく言われる様になりました。

日本も皮革の文化が成熟して来たように思います。

この『ひなたぼっこサイフ』は『四条河原町 阪急』さんの店頭品に
特性オイルを何度も入れては、日に当てて、乾拭きをしてを繰り返し、『味』を出して展示販売してみようという、初の試みなんです。

さすが京都は粋だなぁと思います。(現在展示されていると思いますのでご興味のある方はぜひ手に取ってご覧下さい。)

ヴィンテージ加工というのかな?

でもヌメ革の場合はちょっと訳が違います。『タンニン』という強い見方が加わるからです。

「タンニン」とは簡単に言うと

植物や樹木が自分を食べる昆虫や動物から身を守るためと、紫外線などを防ぐために役立てている物質です。

死んだ動物の皮革がどうして『日焼け』するのか?不思議ですよね。

使う前に『日光浴』をさせて下さい。というメーカーさえあります。

これは『タンニン』が紫外線を吸収したり、犠牲になって酸化して変化する事で

茶褐色になって樹木などを守る性質を利用した、昔から受け継がれ伝えられてきた人間の知恵です。

科学もない時代から、生きる為に編み出されたこういう知識に出逢うといつも

頭がシーンと静まって、イメージの中に引き込まれます。

それはいつも強くやさしい風景に包まれていくようなイメージです。



2009年10月20日火曜日

歩けば、やりたいことが増えていく。


展示会がすぐそこまで迫ってきて、慌てなくては、と思うのだけど。
僕の身体を貫くように、滔々と本流が流れていて、そのリズムが心地いい。

今日も素敵な出会いがあって、勝手に勇気づけられている。
「ずっとお会いしたかったんです。」なんて、こんな自分に言ってくれるとは、

『ものづくり』の仕事をしていて良かったと思う瞬間です。

ずるい事はできないぞと言い聞かせる。

CORBO.を創っていなければきっと出逢わなかったろう人が多くなってきたな、とこの前ふと気が付いた。

今日出逢った同じ歳の彼は、別の場所で同じ時代を生きてきたんだなぁ、と
あたりまえの事が不思議に思える。
そうすると、僕の造っているものたちにも存在する意味のようなものが見えてきて。
尊い清水のひとしずくの様な、キラリとしたものがこぼれ
本流に音もなくふくまれていくようです。


年末にむけて、皆さんによろこんでもらえる様なプレゼントを考えているのは楽しい!


2009年10月9日金曜日

「永遠のサッカー小僧 中村憲剛物語」


作家であり、古瀬の釣り・海川遊びの師匠であり
ヒゲマッチョスキンヘッドな義弟・『森沢明夫』がまたまた面白そうな本を出版しました!

先日、やり投げで日本人初メダルを取った、村上幸史選手を国立競技場で取材したあと
すぐ近くのCORBO.works&shopに遊びに来た時に、この本の話題になりました。

「しかし武田幸三さんみたいに壮絶な人生や戦いという感じはしないけど、やっぱり中村憲剛と言う人も実はスゴいの?」と聞くと

「いやっフツーですよ。ほんとにフツーの青年です。そこに焦点をあてて書いたんですよ」

フツーの人がワールドカップ日本代表に選ばれるなんて・・

「じゃあ天才とか?」

「いやっフツーですね。」

「へ~ぇ~・・・・?それは確かに読みたい」


「この後、オリンピック選手とかアスリートが集まる食事会に誘われているから」と言って去って行く『森沢明夫』の後ろ姿を見送りながら

「あのサングラスと帽子は『エグザイル』を意識しているな、間違いないっ・・!」と思っていたら。

背後で棚を拭いていた児玉氏が「筋肉合コンがんばって!」と声をかけました。

『森沢明夫』はニヒルにほほえみながら、キラリッ!とサングラスを輝かせて去って行きました。


以下は『森沢明夫』本人のコメントです。

このたび、サッカー日本代表で活躍している
中村憲剛選手のノンフィクション作品を書き下ろし、
おかげさまで本日(10/8)発売日を迎えることができました!

「永遠のサッカー小僧 中村憲剛物語」(講談社)1500円

http://www.amazon.co.jp/gp/switch-language/product/4062155591/ref=dp_change_lang?ie=UTF8&language=ja%5FJP

「ラストサムライ 片目のチャンピオン武田幸三」以来の
久しぶりのノンフィクションですが、今回もできる限り密着取材をして、
誰も知らない中村憲剛を描いてみたつもりです。

この本は、サッカー好きな読者はもちろんですが、
そうでない人にもぜひとも読んでいただきたい一冊です。

というのも、僕が書いたのは「サッカー」ではなく「人生」だからです。

それも、僕らとちっとも変わらない、とことん「フツーの人」の人生です。

憲剛は一般的なサラリーマン家庭にフツーの子供として生まれ育ち、
とくに才能も咲かせないまま大学までサッカーを続けてきました。
大学卒業後も、どのプロチームからも誘われず、
当時J2だった川崎フロンターレに、みずから「練習生」を志願し、
ようやく入団できた選手なのです。

しかし!!!

彼はいま、日本のサッカーを背負って立つスターのひとりです。

これは、なぜでしょう?

フツーすぎるほどフツーの男。
僕らとちっとも変わらないような、そのへんのお兄ちゃん。

そんな彼が、日本代表の選手になり、ワールドカップへとチームを導きました。

そもそも、憲剛は僕らと同じ「凡人」でした。
でも、密着取材をしているうちに、
僕らと憲剛のあいだの決定的な「違い」を見つけたのです。
しかも、その「違い」は、僕らでもやろうと思えば充分にできる「違い」なのでした。

僕はこの本で、その「違い」を描きました。

「自分も、自分のまわりの多くの人たちも、
じつは、いろんな夢を叶えられる可能性の塊だったんだ!」

「自分もきっと憲剛みたいに人生を輝かせられる!」

そういう確かな希望を、読了した読者に抱いてもらいたいと願いつつ、
想いをライトタッチな文章に編み込んでみました。

取材中、憲剛は僕に、こんな名言をポロリとこぼしました。

「1%でも可能性があるなら、それは努力をやめない理由になるでしょ?」by中村憲剛

いかがでしょう?

こういう男の生き様はきっと多くの人を励まし、
夢や希望へと向かうべく、背中を押してくれると思うのです。

ぜひとも最後まで読んでみてください。