2008年1月10日木曜日

Leave the nest. (巣立ち)


小学校入学の時に市からお祝いに配られた桜の苗が今では庭で立派な大木になっている。毎年春になると桜の花を満開に咲かせて我が家は花見でにぎやかになります。

1998年の春も庭にゴザをひいて桜の花の下で写真を見ていた。僕が体調を崩していて長い事会えなかった、友人でカメラマンの河野俊之氏が訪ねて来てくれたのだ。
河野氏はコルボの写真関係をデビューの時から全て引き受けてくれている頼りになる兄貴です。(時々下手なのは古瀬が撮影・・)
そして日本百名山全登頂をライフワークにしているグラフィックデザイナー、これまた立ち上げの時からグラフィック関係を全て引き受けてくれている大親友の小柳和男氏、彼ら二人で撮影旅行に行った屋久島の写真を持って来てくれたのでした。

ただでさえ迫力のある屋久杉や森の景色を河野氏が独特な画像処理を施したそのポジフィルムから目が離せなくなってしまった。

蒼く深い静寂の中のシンメトリーの森だった。 

直感的に頼んでいました。
「俺のデビューの展示会で写真との合同展をやろう!」
僕の頭の中にだけあったコルボの構想がその写真でかなり明確に映像としてイメージできてしまったのでした。河野氏は怪訝な顔で渋々承諾してくれたが鞄と自分の作品がどうしても繋がらない様子でした。

人との関わり、溢れ出すイメージの表現、そして自由という揺るがない自分の本質を柔軟な知恵で貫いて行こう。そう決めて踏み出そうとした矢先にその全てを満たしてそれ以上のものがその碧い写真の中にある様に思えたのでした。

写真はその年のAPA(社団法人日本広告写真家協会展)に見事入選しました!!!!!
その為CORBOの展示会には使えなくなってしまったと河野氏から連絡がはいり
心から祝福し、かなり落胆しているという複雑な気持ちでした。

しかし河野氏は、重い機材を担いでわざわざ早朝4時の公園から樹木ごしにビル群の遠景を撮影した撮り下ろしの蒼い写真を贈ってくれたのでした。

不思議な事にその写真にもくっきりとしたメッセージがありました。

「Leave the nest.」(巣立ち)

イメージがあるのに言葉に出来ないで苦しんでいた1st展の題名がその写真を見た時はっきりと浮かんで見えました。   全てが必然に思えて、
これで行けるぞ!という気がしたものです。

河野氏のホームページが開設されます。
リンクしましたので是非ご覧になって下さい。
(まだ表紙だけみたいですが・・)


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