2007年9月10日月曜日

Stanno tutti bene.(スタンノ トゥッティ ベーネ)


コレクションのページに紹介している「BENE」という鞄。
このシリーズは10年以上も前にデザインしたものを改良を加えリニューアルして4年前からコルボとして再生した鞄です。そのきっかけは10年ぶりに訪れたイタリアで体験したある感覚からでした。ローマから少しづつ北上しながら、たくさんのアトリエや鞄屋、金具屋、タンナーを訪ねながらのミラノ、コモまでの旅でした。変わらないだろうと思っていたイタリアも10年分かわっていて、
しかし建物は大昔のままなので、心の中の情景が場所や匂いのスイッチで映写機の様にそのシーン(断面)からカラカラと流れだします。日常ではなかなか難しいけれど、そこでは断片が今に繋がっている事が実感できたのでした。
日本で同じ事をためすとどういう訳か少年時代の景色ばかりが流れだします。 心の中の大切な場所。 帰国後「秘密基地」というタイトルで展示会をひらき「BENE」は生まれ変わりました。まだ字の書けない小さな息子にお絵描きの様に書いてもらったタイトルをレンガの壁に石で落書きした様に加工して招待状も作りました。

イタリア映画でStanno tutti bene?邦題が「みんな元気?」この映画をご覧になった事はあるでしょうか?帰国後イタリアに飢えて、イタリア映画ばかり観ていた中でこの映画は特に心に滲みました。
「みんな元気?」屈託のない過去の自分に呼び掛けられたような感じ。
「ベーネベーネ」(おぅ元気元気!)。お前なんかにゃまだ負けないよ。
過去の自分に尻を叩かれた気分。同じ鞄で勝負するか!?
この映画にもスイッチが隠されていました。 

監督はジュゼッペ・トルナトーレ、音楽エンニオ・モリコーネ
俳優マルチェロ・マストロヤンニとニューシネマパラダイスのトト(サルバトーレ・カシオ)他。おすすめです。 
今みるとまた違う感じ方をするのだろうな。


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